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『進化しすぎた脳』がとても面白かった。
茂木なんとかとかなんとかとか、まあ脳について話す人も最近多いし、
脳についての本も沢山出ている。
少し前の脳トレブームの影響もあるのだろう。
情報が多く出回り活発に論じられること自体は結構なことだ、と思う。
しかしながらブームに乗っている人間の性質もあるのか、
脳そのものの性質が論じる際に根拠を必要としないのか、
論じられるその中身は、なんというか胡散臭く感じるものが多く、
似非科学万歳!と盲目に信じるものが悪いのか
とりあえずブーム乗っとけ泥鰌を捕まえろな出版社が悪いのか。
そういうようなことを考えながら、
一歩ひいた所から眺めていた、まあ言わせて貰えば眺めざるを得ない、状況、シーン、というのがあったように思う。
同じように脳科学という響きに胡散臭さを感じている人も少なからずいるのではないか。
この『進化しすぎた脳』の著者池谷裕二は、
脳科学の最前線で今現在研究を行なっている脳科学者である。
まだ三十代。研究者としてはそうとう若い部類に入る。
しかし、多くの科学者が大きな成果を挙げるのは若いときであり、
そういった意味でも、真に脳科学の最前線に立っている科学者といって語弊はないだろう。
そのような、信頼するに足る科学的なバックグラウンドが話のそこかしこに垣間見え、
しかも分かりやすく説明もしてくれる。
なんという良書。
医者や脳科学者という肩書きがありつつも、
固定観念や通念なんかで好き勝手に話をしている方々とは大違いである。
更に、その若さが、文章に熱を加えている。
宮台真司がいう「感染」が起こるに足る、ほとばしる熱さ。
実際これを読んで、脳科学に進もうと決めた、という人もこの本書には出てきている。
(比喩か何かだと思われかねない話だが、文庫化で追加された章があるため、
そのようなパラドックスまがいのことが起こった。)
僕も、この本を読んで、脳科学というものの魅力に取り付かれ、
進路として選ぶのもいいかもしれない、と考えた。
この感染力は何かに似てる、と思ったら、
そうだ、梅田望夫だ。
彼の希望的楽観的なウェブ論は、熱さと心から楽しんでいる空気とが混ざり合い、
一大ムーブメントを巻き起こした。
もしかしたら起こして無いかもしれないが、いや起こした気がする。
梅田望夫が好きでこちらを読んで無い人は、是非読んでみるといい。
因みに、池谷裕二は『記憶力を強くする』という、もっと俗っぽい、
脳科学の良くない主流の上にあるようなタイトルの本も出しているが、
内容はどちらも脳の話といった部分が多く、双方で被る話題もあることからもわかるように、
タイトルに似つかぬ分かりやすい、科学入門書、といった体。
逆に、本当に記憶力を伸ばしたい!と思ってるだけの人は裏切られる可能性も、無いとは言えない。
そして、どちらもブルーバックスから出ている。
ブルーバックスなら安心だ、という人もいるだろう。
安心して買って、読んでみてください。
ブックオフにもよくあります。
たまたま書店で平積みしてあるのを見つけ、勢いで購入。
昔から宇宙のことには興味があったのだけれども、いいものが見つからずにいたところ、
この本は説明もなかなかに詳しそうで、かつカラーであるのが魅力的だったため。
やっぱりカラーで写真付きなのはいい。
今まで探していたときは、写真でドキドキもしたいが、そうなると子ども向けだったり専門的過ぎたりしている印象があり、気分にマッチしていないものが多かった。
それに対しこの本は、銀河や星の写真、イメージ図がふんだんに盛り込まれている。
カラビーヤウ多様体のイメージ図までなんとなく綺麗(笑)。
また、説明文の方も、ブラックホール、ダークマタ-、超ひも理論、膜宇宙、万有力、人間原理など多岐に及び、
多様な知的好奇心に答えてくれるものになっている。
勿論、ページ数の関係もあり、入門用の広く浅く、というような仕様になっていて、
用語はどんどん導入されるが説明は少なく、論理的説明もある程度しかカバー出来ていないため、
(勿論僕の能力の至らなさもあるだろうが)どうしてここからこの結論が導かれるのか、ということが分からなかった部分も多く、
用語の使われ方を確認するために前に戻ったり他を参照したり、
本気で読もうとするには親切ではない部分も多い。
しかしこの本をあくまで入門用の書として見たときには、
宇宙学研究のマクロな地図として全体の繋がりを見る事ができ、
こういうことが今研究されている、というようなカタログとしても考えられ、
そういう点では非常に有用だと思う。
ちょっと興味が湧いた分野はブルーバックスでも読めばいいし、
本当に知りたくなったら専門書に当たってみるのもいい。
とにかく、広く間口を設け、来るもの拒まず、去るもの追わずというような姿勢で、
なんとなく分かった気分になれる。絵が綺麗だし(笑)。
少し難しい部分もあるが、入門、一般向けの本としてなかなかに良い。
なにより僕が楽しめたので万事オッケー(笑)。
これからもう少し掘り下げた、詳しい部分も知りたいと思った。
家に転がっていたので、とりあえず読んでみました。
・・・笑えました(笑)。
やっぱりB型はB型が好きですね~。
最初に出たのがBじゃなければここまで話題にならなかった、かもしれない。なんてことも思います。
因みに僕はB型で、B型が好きです(笑)。